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つきのふね
評価:
森 絵都
角川書店
コメント:心の居場所を探してさまよう人たちを描いた作品。

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親友を裏切ったことでグループから孤立してしまったさくら。
心をよせていた智さんも、だんだんと心を失っていく。

「自分だけがひとりだと思うなよ」

という強いメッセージが残る。
自分だけが辛いわけじゃない。
自分だけが孤独なわけじゃない。
自分だけがなんてこんなにひとりなんだろうと思う夜もある。
世の中の自分以外の全ての人が幸せそうに見える日もある。
でも本当は、きっと違う。
みんなが「ひとり」を抱えていて、誰もがちゃんと見れば「誰か」に見守られてる。

そんなふうにささやきかける作品。
優しいねーいつもながら。

20:27 | ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0)
夜明けの街で
評価:
東野 圭吾
角川書店(角川グループパブリッシング)
コメント:不倫をしたいと考えている全ての男性へ。

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不倫をする奴なんて、馬鹿だと思っていた。
秋葉に出会うまでは―。

不倫と言う題材がめずらしいなー、と思った。
不倫をする人の言い分も分かる。女の人の気持ちも、男の人の気持ちもなんとなくだけど分かる。
でもやっぱり、どれだけ付き合っているときにその想いが本物で、出会う順番が違っただけなんだと思ったとしても、不倫の先に明るい未来が見えそうもないのは何故だろう。
タラレバの話に真実は見えない。
ほんとうに、出会う順番が違っていたら一生不倫なんてしなかったし、したいとも思わなかっただろうか。
結婚生活がまるで違ったものになったと言い切れるだろうか。
こればっかりは体験してみないとなんともいえないんだろうなー。

ミステリーのほうに関しては、最初から薄々結末が見えていたので、イマイチ。
東野圭吾って、「片手間に小説を書いている」イメージが消えない。
特にこういう本は。
気合を入れて書いている小説の筆安めにちょいちょいっといくつか違う小説を書いて出版してるという感じがするというか。
それでもどれもつまらなくはないのだけどなー魂こもってないかんじが最近嫌かも。


20:17 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)
ティファニーで朝食を
評価:
トルーマン カポーティ
新潮社
コメント:読んだら恋をせずにはいられない。

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オードリー・ヘップバーンで有名の映画、「ティファニーで朝食を」の原作。
訳者・村上春樹の後書きが実に良い。
映画を観ていなくて良かった、と心から感じた。

自由で奔放、純粋な魅力を備えた小悪魔少女、ミス・ホリー・ゴライトリー。
決して悪びれず、頭をさげず、堂々とその美しさを輝かせる彼女に、読者の誰もがひきつけられることと思う。
原作を読んでからホリーをヘップバーンに重ね合わせようとしても、どうにも無理があるような気がする。

併せて入っている短編、 花盛りの家/ダイアモンドのギター/クリスマスの思い出 も、どれも良かった。話としては「ダイアモンドのギター」が好きだったけど、「クリスマスの思い出」の終わり方は秀逸。偶然にも前に読んだ本の中に入っていた短編だった。訳を手直ししたバージョンらしいけれど。

表紙のオレンジが可愛くてお気に入り。
毎年のことだけれど新潮社が出すこのシリーズ(?)は好きだなあ。
大満足の1冊。
21:27 | 海外(トルーマン・カポーティ) | comments(0) | trackbacks(0)
喪失の国、日本
評価:
M.K.シャルマ
文藝春秋
コメント:インド人から見た日本、実はこんなに変だった!

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日本人がインドにいって、「インドってこんなんだった!!」という本はたくさん見かけるけれども、その逆の本というのは目にしたことがあるだろうか?
インドにいくと世界観が変わる、とインドに行った日本人は必ずといっていいくらい口にする。
そこまで文化が違う国なら、もしかするとインド人のほうでも「日本に行くと世界観変わるぜ」なんて言っているのではないか?
そんな好奇心がむくむくとわいて手にとった1冊だった。

訳者がこの本と出会った経緯から話が始まるのだが、訳者がインドのとある本屋でたまたま手にした1冊が後のインドの旅でたまたまお邪魔した家の主が書いたもので、さらにそれはベストセラーでもなんでもなく、自費出版で出して本屋においてもらっていたものだというのだからすごい。

そして肝心の著者の語る日本体験記がまた面白い。
日本人からすると、自分たちはなんて清潔な民族なのかと思うのだが、インドに生まれ育った彼から見ると
「信じられなーいそんなことするの無理!靴さわるとか無理!他人の箸が入った鍋のものを食べるとか無理!おしり紙でふくだけなんて無理!お釣り数えないとか意味わかんない!財布の扱い適当すぎなのに盗むほうが悪いとかどんだけ!」
等々々・・・
それでも彼は頑張って日本の文化に馴染むべく血のにじむような努力をするわけです。エライ。

ビジネスマンなので、日本とうまくビジネスをしていくためには、日本人に対してどのような態度をとるべきか、ということについて多く語られているのだけれども、これが本っ当に面白い。
日本人のいいところも、変なところも、滑稽なところも、全てを新たな視点から見させてもらえた。
オススメの1冊。


20:29 | 海外(M.K.シャルマ) | comments(0) | trackbacks(0)
ジャージの二人
評価:
長嶋 有
集英社
コメント:父親と二人、軽井沢の山荘で過ごす数日間。和小と桶谷小のジャージで。

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仕事をやめて小説家を目指す僕は。執筆活動も進まず、妻は人生最大の恋とやらに出会って奮闘中。
父親はどうやら3度目の結婚もうまくいっていないらしい。

そんな話を赤裸々に語り合うでもなく、お互いなんとなく分かり合っているような、何も分からないような父と息子が過ごす、軽井沢での数日間。

なんでもなさそうでちょっと何かしらある、そんな日常と非日常の間の人間関係を温かく描く長嶋有の作品。
といえばそうなのだけれど、作者への期待値が高いので、他の作品に比べると何かひとつ物足りなかったなあー。まだまだ面白い話を書くはず。という気持ちで星3つ。




20:19 | な行(中嶋有) | comments(0) | trackbacks(0)
俺はその夜多くのことを学んだ
評価:
三谷 幸喜
幻冬舎
コメント:超草食系男子が一夜で学んだ、恋愛の真実。

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もーすんごい馬鹿!す ん ご い 馬鹿!! 笑

おかしなことを、(よくよく考えたらとても悲愴にもなること)大真面目におかしなことでもなんでもないんだよというさりげなさで描く、三谷さんらしい本ともいえる。
これを500円弱で売り物にした勇気に乾杯。
三谷幸喜が書いていなかったら、「作者気持ち悪いムリ」と言って一生触れることはなかったと思われ。


以下ネタバレです。



そんな、社会人のくせに好きになってからデートまでに3年もかけて、最初のデートの日の夜に彼女に電話をかけたら留守で、留守電にメッセージを残したのにかけ直してこないからもう一度かけたら通話中で、まさか彼女の前の席のあいつか?と思い奴にも電話をかけたら通話中で、いつまで電話してんねんと思って5分置きに彼女と奴の電話番号に交互に電話をかけ続け、それを経て学んだことは「俺は何も学んでねえ」ってことでした。ということが、普通の文庫1冊の厚みで文字つめて書いたらたぶん3Pくらいでおさまるっていう・・・超ミラクルシュールな本。

22:16 | ま行(三谷幸喜) | comments(0) | trackbacks(0)
ブスの瞳に恋してる2
評価:
鈴木 おさむ
マガジンハウス
コメント:素敵変態夫婦の愛のお話第2弾!あいも変わらずラブラブです。

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とにかく大島が面白い。普通の女子だったら絶対に出来ない!ことをガンガンする。
それを愛する夫ももうそれだけで面白い。
と思いきや、ものすごく純粋で女の子らしいエピソードがあり、そうなると歩いていてうんこをもらしても、スネゲとギャランドゥがすごくても、ホームレスの中に紛れ込んで雑魚寝していても・・・全部が愛らしく見えてくるから不思議だ。
もちろん自分には出来ないし、それを愛してくれる人もいないわけなのだけれど。

西原恵理子のあとがき、「こんなに危険な本はない」にひどく頷いてしまった。
自分が自分のままでいて、男に好かれる女になるべく努力を一切しないで、自分をまるまる愛してくれる理想の旦那様が現れる可能性なんて1%未満だもの!怖くて賭けられない!

・・・でも3も読もう。


22:01 | さ行(鈴木おさむ) | comments(0) | trackbacks(0)
愛がなくてははじまらない。
評価:
唯川 恵
大和書房
コメント:どれだけ失敗を重ねても、やっぱり恋をしてしまう。恋愛小説家が送る、恋愛のススメ。

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正直なところ、唯川恵は苦手だ。最後に読んだのが中学生の頃で、なんだか甘ったるい恋愛物語ばかりで鳥肌たっちゃう、というイメージのまま今に至っている。
これはエッセイだし、恋愛小説家が経験した恋愛ってどんなものなのかのぞいてみちゃおうかな(100円だし)、いう好奇心で手にとったわけなのだが、これが意外にも面白かった。面白いというか、身につまされるというか。
なんか自分とすごく似ている気がした。
そんな作者が未だ結婚せず、なところにとても不安を覚えるのであります・・・。

20代も後半になって振り返れば、色々、ある。
色んな付き合い方をしたし、色んな相手がいたし、こうじゃなきゃ、やっぱりこうかな、ああ、もうどうでもいいや、いやいややっぱり・・なんて右往左往もして、それは今もそうだ。

「私もうんざり。もうごめん。傷つくのも期待するのも、疑うのも信じすぎるのも、失望するのも。
 そんなもの、さらりとかわして軽やかに生きてゆきたい。恋愛なんかに振り回されたくない。
 
 でも、果たして本当にそれを心から望んでいるのか、と考えると、『そうだ』と答えられない自分がいる。
 そうして、切ないようなやるせないような気分になり、私は長い長いため息をつく。」


まさに。

21:42 | や行(唯川恵) | comments(0) | trackbacks(0)
絵のない絵本
評価:
アンデルセン
新潮社
コメント:貧しい絵描きのもとに訪れた月が語る、世界の片隅の、さらに片隅で起こった小さな小さな物語たち。

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前々から気になっていた本。古本屋で見つけたので購入。
買ったのは写真のほうじゃなくて、なんと初版が昭和27年のもの。わお。

とても有名な本なので、もっと心にぐっとくるかなー、と期待していたのだけれど、意外と退屈。
ひとつひとつの話が心温まったり、ちょっとせつなくなったりするのはするのだけれど。
翻訳のせいか・・うーん。ちょっと寝かせてまた再チャレンジしたい。
21:18 | 海外(アンデルセン) | comments(0) | trackbacks(0)
幽霊たち
評価:
ポール・オースター
新潮社
コメント:私立探偵のブルーはホワイトからブラックを見張る依頼を受ける。来る日も来る日も、何も怪しげな行動をとらないブラックに、ブルーはだんだんと冷静さを失っていく。真理を映し出した物語。

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ホワイトという名の男から、ブラックという男の見張りを頼まれた探偵のブルー。
真向かいの部屋からブラックをどれだけ見張り続けても、「何も起こらない」ことにブルーは焦燥感を覚え始める。
不安感から、見張りの粋を超えて行動を始めるブルー。変わらない日常が、様々な妄想を彼に抱かせる。


抽象的な物語。これはこういう物語です、と言葉にしづらい。
自分はこう思う、という言い方でしか出来ない。
あとがきを読む限りでは、小説を書くという行為において作者が陥る自己消滅感を物語にしたということらしい。
よくは分からんけどなんか面白かった!
私はそれでいいかな。いまのところ。


21:43 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)

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