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評価:
乾 くるみ
文藝春秋
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主人公のもとにある時地震を予言する電話がやってくる。
男は「自分は過去からきた」と話し、主人公に「過去に戻らないか」と誘う。
説明会に集まったのは8人の男女。
謎の男、風見が言うには、ある日のある時間にとある場所に行くと、
記憶はそのままに10ヶ月前の自分に戻れるという。
風見は過去に戻る=リピートを9回繰り返しており、現在の世界をR9と呼ぶ。
話の真偽をめぐり、色々な推測が飛び交う中、2度目の地震の予言があたり
8人は過去へ戻ることに。
R10の世界にたどりついた8人なのだが、1人また1人と
リピート参加者が死んでいく。
誰が殺したのか?はたまた偶然の出来事なのか?R9の世界と違うことをした結果が
大きなひずみとなってR10の世界に返ってきた結果?
R9よりより良い人生を、と望んで行動してきたはずなのに・・・
間違いを帳消しにするべくR11を目指す主人公が知る真実とは。
ふー
またも思いもつかない結末をさしだされてしまいました。
間違った選択をした、と思うことがある。
ああしてれば、と思うことがある。
しかし風が吹けば桶屋が儲かる、という話じゃないけど
ほんの些細な選択が、ゆくゆくは大きく道を変えることになる。
ひとつの道しか知らない私たちには分からない。
なにが一番いいか、だなんて。
だから今をとりあえず、生きていくしかないじゃないか。