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評価:
沼田 まほかる
双葉社
コメント:沼田まほかる、猫を書く。
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捨て猫モンちゃんと、彼に関わった3人の人間のお話。
相変わらず沼田まほかるは、人の心のどろどろとした部分の描写が非常にうまい。
あああああもうそれ以上書かないで説明しないで分かってるからあああああ
と叫びだしたくなる。
人には見られたくないとついつい思ってしまう、そして隠してしまう気持ち。
しかしそんな気持ちが「後ろめたいこと」だなんて、誰が決めたのだろう?
心の隅々まで「綺麗」(社会にはびこる観念としての)な人間なんて、この世には存在しないかもしれないのに。
そんな風に必死に隠そうとしている心を、全て見透かしているかのように思わされるのが、猫という生き物。
全てを知っているようで初めは恐ろしいが、知られているということで逆に心が解放されて楽になるということもあるのかもしれない。
文章はうまい、と思うが、どうやって楽しんだらいいのかよくわからない本だった。