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評価:
重松 清
講談社
コメント:バリバリ働いて日本を支えてきたオヤジたちが、定年を向かえてニュータウンに放り出されたら・・?定年オヤジたちに送る盛大なエール。
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「熱血な中年」が重松さんお得意のキャラクターでもあるわけですが。
今回はちょっとくさすぎたかな?笑
物語は軽いコントドラマを見ている感じ。
短編が重なって長編小説となっているわけなんですが、一つのストーリーが終わる度に定年オヤジたちに愛着がわいてくるわけです。
初めは慣れないテリトリーであたふたしていた定年オヤジなのですが、なんとか自分の居場所を見つけようと散歩をしてみたり、友達を見つけて飲んで騒いでみたり・・
大人になってしまった娘に切なくなったり、世話を焼こうとしてめんどくさがられたり、
優しい奥さんになぐさめられたり、今熟年離婚されたらどうしようと不安になったり。
そんなオヤジたちでも「俺だってなあ、熱い想いがあるんだぜ!」ということを分かってもらおうとするんだけど
妻娘たちに「分かった分かった、お父さんの顔をたててあげますよー」という笑顔を向けられていたりとか。
あー、うちの父のポジションとなんとなく似てるなあなんて感じたわけです。
家族に男の子がいない家のお父さんって、どこもこんな感じになっちゃうのかな。
父を見ていても、もちろん尊敬はするし、仕事を頑張って家庭を支えてくれていることに対する感謝の気持ちは本当に大きいんだけど。
家の中で見る父ってどこか子供じみたところがあって、男の人っていくつになっても子供なんだなあ、なんて思ったりする。
こんなこと言うと怒られるから言わないけど、だから余計にお父さんが何か自分を大きく見せたかったりだとかする時は、男のプライドってやつを立てまくってあげられる。
内心「しょうがないなあ、男ってやつは」と思いつつ。
年端のいった男性がこの本を読んだらどう思うだろうか。
「そうそう、男ってやつはこうじゃなくっちゃ」と思うのかな。
まだまだ女としても未熟な私からしたら、可愛いオヤジだぜ、という気持ちで
にやにやしながら読みました。
まさに親の心子知らずってやつなのでしょうかね。