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評価:
小手鞠 るい
新潮社
コメント:シリーズ3部作最終巻。「恋は、一生にたったひとつだけ、するのがいい」そんな恋愛観をもった雪香の初めての恋は、失恋で終わった・・・。諦められない、忘れられない。そんなとき、彼と同じ名前を持つホームページを見つける。あの人ではない、と分かっていながら雪香はメッセージを送る。結ばれるはずの人とは、何度すれ違っても結ばれることになるのかもしれない。そんなことを素直に信じさせてくれる温かな物語。
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誰かに「どんな話?」と聞かれたら、その答えはとても陳腐なものになり
とても魅力を伝えることなどできそうにない。
小手鞠るいはそんな作品を作る人。
この物語も、ストーリーだけを列記したらそれこそ「ちんぷ」って感じだ。
陳腐っていう日本語は ちんぷ って言葉の響きもすごくちんぷさを表してて
なんだかすごいと思う。
「恋愛は一生に一度だけ」をポリシーにかかげた主人公、雪香の初恋は実らずに終わる。
じゃあどうすんだい?一生独身を貫くんかい?っていうと
きっちりちゃっかり次の恋に進んでいくわけなのだ。それもまた劇的な出会いと偶然で。
もちろん私は呟いた。ありえねー。
ありえねーって展開の物語が嫌いだ。
結局物語りの中でのご都合主義でしょ?
そんな現実に「ありえなさすぎそう」な話には興味がないんだよ、と。
でも小手鞠るいが書く話だと、不思議とそうは思わない。
ありえねー。けどまあなんか良かった。
と、そうなってしまう。
うまく言えないが、ホレタ弱みってやつなんだろうか。
あっという間に読了。
順番が前後したが、サンカクカンケイも早く読まねば。