<< February 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 >>
<< 暗鬼 | TOP | 太陽の塔 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | -
疾走
評価:
重松 清
角川書店
コメント:疾走―。物語を楽しもうと思うなら、この本は手にとらないほうがいい。自ら選び取ったわけではない運命を背負わされた少年の迷走。あまりにもリアル。

JUGEMテーマ:読書
JUGEMテーマ:小説全般
 
天才―。
この言葉は使いたくない。
だって誰しもが、生まれ持った才能だけで生きているわけではないから。

だけどこの本を閉じて、いや閉じる前から、脳裏を走ったのはこの言葉だった。
重松清さんという人は、、、。


ありふれた、どこにでもいるような1人の少年が、兄の精神的崩壊をきっかけに
本人の意思とは関係なく暗闇の世界に誘われてしまう。


「孤高のひとり」になりたい―
でもほんとうは、「ふたり」になりたい―
だけど誰も、そばにいてはくれない―

少年の苦しみが、切実な叫びが、願いが、文章中からあふれ出てくる。
誰か、シュウジを助けてあげて。そばにいてあげて。
そう思わずにはいられない。
だけどいくら思ったって、物語の結末はすでに描かれてしまっている。
私はそれをたどることしか出来ない。


作者の筆力、作品の出来という点から見れば、
当然のように星は5つの評価になるだろう。
だがそのあまりのリアルさ、苦しさゆえに、私は5つ星をつけることができない。
やっぱり人におススメする本は、心があったかくなる本がいいから。


それに、ひとつだけ、ひっかかることがあるとすれば、
この結末。(結末書くので未読の人はスクロール禁止)

















「殺人を犯した主人公は最後に死ぬ」

このパターン、ちょっと多すぎる。
青の炎もそうだったけど、殺人を犯す主人公というのは、
大概が殺人を犯すにいたるまでが、とても可哀想。
ああ、こういうことがあったら殺人を犯したくもなってしまうなあ・・・
と思わせるまでの理由がある。
だけどもちろん、だからといって道徳的に物語の結末を、警察に捕まらずに
以後幸せに暮らしました、っていうことは出来ない・・・のかな。
それで主人公を死なせてしまえば、誰も主人公をもう責められない。
それが、ずるい、と思う。
なんか違うんじゃないかな、って。それでいいのかな?って。

殺人犯の主人公が死ぬ話を読むと、ああ、またか。
って思う。
やっぱりな、とも。

現実には、そんなに都合よく死ねるものじゃないと思うから。



とはいえやっぱり、すごい作品だった。




10:12 | さ行(重松清) | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
10:12 | - | - | -
COMMENTS
COMMENT?










TRACBACK URL
トラックバック機能は終了しました。

にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ