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評価:
赤川 次郎
角川グループパブリッシング
コメント:あなたのお父さん、死のうとしてる― その一言を起点に、別れて行く江梨のふたつの人生を追っていく物語。
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ジャケ買い。
食わず嫌いだった赤川次郎小説。
あれ、「ふたり」は読んだったんだっけかな。
本作は、「あなたのお父さん、死のうとしてる」という一言を
友人のなつ子に伝えたかどうかで、物語が分岐する。
上下に線が引かれるのだが、自分は章ごとに上下の物語を平行して読み進めていった。
記憶力のない自分は、あれ?この展開は上と下とどっちだったっけ?
としばしば考え込まなくてはならなかったので、なんだか頭を使った。
形式が変わっている、というだけで物語自体はそれほど面白いと感じなかった。
複線か?と思わせる文章も、結局最後まで本線に入ることなく浮き彫りとなったまま終わった。
ひとつの決断がゆくゆくは人生を大きく変えていくということは、
毎日の一瞬一瞬に誰しもに起こっている可能性だ。
それを掘り下げていくことに意味を感じない。
そして個人的に、主人公の江梨という人物像が嫌いだ。
少女から女性へと変貌を遂げる高校、2年から3年という時期を描いているのだが、
なんというか男目線から見た少女、という感じが否めない。
少女はそんな風に女に変わっていくものではないと思う。
あとおっさん趣味すぎ(笑)
まさか作者の願望か・・・・なんて、失礼なことを想像するのはやめます。
会話が多くてするする読めるので退屈、ということもなかったんですけどね。
うーん、いまいちだったかなあ。