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マリコ/マリキータ
評価:
池澤 夏樹
角川書店
コメント:生命のなまなましさを艶やかに描く、池澤夏樹の短編集。

JUGEMテーマ:読書
JUGEMテーマ:小説全般
 
生命というものの根源について語る作品がつめこまれている。
それはときに愛という形であったり、天気であったり、人生や不思議な遺跡の中での出来事だったりするけれども。
特に最後の、「帰ってきた男」はお気に入り。

物語の主人公は、いつも傍観者である。
生命というもののの根源的なあり方としての生き方に魅了され、現代の競争主義的な社会に染まりきれず、かといって自然の中に身を投げ出すほど陶酔も出来ず、そこに迷いなく足を踏み入れる人の背中を見送っている。
自分はそうした主人公よりも(そして作者より)ずっとこちら側の生き方をしているし、片足すら踏み出す勇気はないのだが、しかしそれをどこか羨ましく魅力的なものとして捉える視線という意味では、とても共感できるのである。

おそらく彼らが生き物として正しい生き方をしているのだろうということは分かっていても、体が、頭が動かないのである。
どの短編も、その美しさを描き、南の島の暖かさを伝え、そうして最後はその中に身を投じることのできない一抹の哀愁が漂う。

・・・なんていうのは、あまりにも個人的な意見を反映しすぎたかなあ。
でもそう感じた。
22:47 | あ行(池澤夏樹) | comments(0) | trackbacks(0)
南の島のティオ
JUGEMテーマ:小説全般


題名の通り、南の島に住むティオくんの話。
ティオくんの話というよりは、ティオくんの住む
島に訪れてくる人にまつわる物語。

この本を読むと、南の島に住みたくなります。
無駄なものがない島。
神様の住む島。
不思議なことが起こる島。

決して悲しい話ではないのだが、
なんだか無性に泣きたくなり、
決して訪れたことはない島なのだが、
なんだか無性になつかしい。

自然の心、というものを
真に理解している人でなければ書けない本だと思う。
00:07 | あ行(池澤夏樹) | comments(0) | trackbacks(0)
きみが住む星
評価:
池澤 夏樹
角川グループパブリッシング
JUGEMテーマ:小説全般


池澤さん。
好きなの。
旅行して、本を書いて、
ああ、いいなあ。

池澤さんの本はあったかくて、
今まで読んだどの本でも、
地球のでっかさと、
その中にあるちっさいキラキラとが
つまっている。

「きみが住む星」もそれにもれない。
遠くへ旅立ってしまった「ぼく」から「きみ」への
手紙と、エルンスト・ハースの写真とが
素晴らしくリンクして作られた作品。
池澤さんは、1ページほどの短い手紙の中に、
小さな物語をそっとつめこんでくれている。
写真から想起した物語なのか、
もしくは実際に体験したことなのか分からないけれど、
短いその文章の向こう側に、もっともっと深い出来事が
広がっているのが感じられる。

「ぼく」からの手紙を読みながら、私はだんだん自分が「きみ」
である気がしてくる。
「ぼく」を遠く感じ、そしてとても近くにも感じ、
誇らしく思うのと同時に妬ましく思う。
あなたばかりこの星の素敵なものをそんなに集めてずるいわ、
と思うようになる。

そして、まんまと作者の意図にはまっていくのでしょう。
わたしが住む星の。
23:45 | あ行(池澤夏樹) | comments(0) | trackbacks(1)

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