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評価:
ルイス・ サッカー,幸田 敦子
講談社
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いやあ、面白かった!
「穴」っていう題名といい、表紙の変なもぐら(違う?笑)と玉葱といい、
なんか変な話っぽいなあと思ってあんまり期待しないで買ったのですが、
これは読んでみたらまさに「少年版ショーシャンク」でしたね。
まず設定からして笑えるんですが、主人公はスタンリー・イェルナッツ4世。
4世って言ったからってすごい血筋のおぼっちゃんとかでは全然なく。
stanley yelnats。はい、さかさまから読んでもー!
ってわけで代々イェルナッツ家の男の子はスタンリーと名づけられたわけです。
ところがこのイェルナッツ家、初代スタンリーが豚を盗んだせいで代々まで呪われることになってしまって、まるで運がない一家になってしまったわけです。そんな一家の口癖はといえば、「あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいじいさんのせいだ!」
例にもれず、4世スタンリーもスニーカー盗みの冤罪で捕まり、少年更生施設ともいえるグリーン・レイク・キャンプに送り込まれることに。
そこで行われていたのは、ひたすらの「穴掘り」。
少年を更生させるためなんていうのは名目上のこと。所長は何を探しているのか?
ある日とうとうスタンリーは脱出を決意、ひいひいじいちゃんの言った約束の地を目指して旅立ちます。
冒険と、友情と、少年の成長する姿と、ユーモアと、大人たちの欲望。
ほんとうに色んなものを詰め込んだ、誰もが楽しめる作品だと思います。
この作品をあんなに目だって平積みにしていた本屋さんに大感謝。
自信を持ってオススメする一作です。