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幽霊たち
評価:
ポール・オースター
新潮社
コメント:私立探偵のブルーはホワイトからブラックを見張る依頼を受ける。来る日も来る日も、何も怪しげな行動をとらないブラックに、ブルーはだんだんと冷静さを失っていく。真理を映し出した物語。

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ホワイトという名の男から、ブラックという男の見張りを頼まれた探偵のブルー。
真向かいの部屋からブラックをどれだけ見張り続けても、「何も起こらない」ことにブルーは焦燥感を覚え始める。
不安感から、見張りの粋を超えて行動を始めるブルー。変わらない日常が、様々な妄想を彼に抱かせる。


抽象的な物語。これはこういう物語です、と言葉にしづらい。
自分はこう思う、という言い方でしか出来ない。
あとがきを読む限りでは、小説を書くという行為において作者が陥る自己消滅感を物語にしたということらしい。
よくは分からんけどなんか面白かった!
私はそれでいいかな。いまのところ。


21:43 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)
ルル・オン・ザ・ブリッジ
評価:
ポール・オースター
新潮社
コメント:ポール・オースターの脚本。小説ファンとしては意見が分かれそうなところ。

JUGEMテーマ:読書
 
脚本と知らずに購入。
最初、しまった!!と後悔するが時すでに遅し。

映画監督もやってたとは知らなかったー。

ところが、脚本とはいえそこはさすがのポール・オースター。
独特の世界観であっというまに引き込まれてしまいました。

しかし脚本というものを、どう読めばいいのかが私にはよく分からなかった。
不慣れなもので。
小説だったら、もっと細かい描写をしてくれるし、逆に描写があるから感情を言葉にしないということがある。
わざと細かく設定しないである部分(映像として作るときのために)が多くて、ほんとうに話のおおまかな筋と、そして逆に作者がはずせないと感じている部分がクローズアップされるため
なんか生煮え状態!
こんなことならさっさと映画が見たい!
もしくは小説として書き直して発表してほしい!

映画を観た後に、うんちく用?とういか、まあ、後学のために読むというのが正しい使い道なんだろうか。

気に入った言葉があったので一部抜粋。


  「自分が美しくしたときだけ、人生は美しい」


00:03 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)
ミスター・ヴァーティゴ
評価:
ポール オースター
新潮社
コメント:師匠の教えに導かれ、空を飛べるようになった少年の、まるまる70年間を描く物語。

JUGEMテーマ:小説全般
JUGEMテーマ:読書
 
これは最高に面白い!
久々の(?)星5つ文句なしです。

「13歳までに君に空を飛ばせてみせる。君には天賦の才がある」
というイェフーディを師匠にすることで、みなしごだったウォーリーの人生は変わった。
およそ耐えがたい修行にあけくれ、毛嫌いしていた「黒んぼ」と「インディアン」と共に生活していく中で、尖っていたウォーリーの心も溶けはじめる。
そして12歳のとき、彼は浮いた―。

浮遊術を使えるようになった少年、それを授けたあやしげな師匠。
これだけ聞くと児童文学、ハリーポッターのような波乱万丈のわくわくファンタジーのように思われるかもしれないが、断じて違う。
ひとりの人間の人生、生きること、死ぬこと、いかに生きるか、そしていかに死ぬかという、人の心の深く重たい部分にうったえかける物語だ。

いくつかのレヴューを拝見させてもらい、「悲劇的ラスト」「救いがない」という意見が多いのに驚いた。私はむしろ爽やかさと希望に満ちたラストだという感じを受けたからだ。
確かに「空を飛び、有名になって多くの人を楽しませる(そしてお金持ちにもなる)」という当初の夢を考えれば、彼の人生は「堕落していった」と形容できるのかもしれない。
しかしどうだろう。
むしろ晩年の彼はしごく「普通」の人生を歩んでいるだけだ。
あまりに輝かしい過去があったがためにその日々は色褪せて見えるが、一生のうちに、その他の日々を取るに足らぬものに見せる程の経験を出来たことというのは、むしろ素晴らしい稀有なことなのではないだろうか。
そして最終的に彼はそのことを受け入れることができた。過去を誇らしく思うことができた。
時間はかかったかもしれないが、人生70年目にして彼はいきいきと輝いているように見える。

ラストの文章がたまらなく好きだ。
この終わり方、彼のせりふを「素敵だ」と思うために、これまでページをめくってきたのだと信じられるほどに。
取るに足らないと思う自分にも、色んなしがらみにまみれた「自分」を取り去った奥の奥に、空を飛ぶことにも匹敵する力が眠っているのかもしれないと思わせてくれる、素敵な物語でした。



00:03 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)
ティンブクトゥ
評価:
ポール オースター
新潮社
コメント:主人のウィリーを亡くしたミスター・ビーンズの哲学と冒険の物語。

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訳者あとがきの言葉を借りれば、「shaggy dog story」(むさくるしい犬の物語)という言葉が英語にあり、“話し手には面白くても聞き手には退屈な長話、最後でわっと笑わせるかと思いきやひどく冴えないオチで終わる話”という意味で使われるのだという。
本編を読み終わってからこのあとがきを読んだので、実際にミスター・ボーンが「shaggy dog」だという記述があったかどうかは定かではないが、彼の外見がむさくるしい部類にあったという表現はなされていたと思う。

作者はshaggy dogを主人公にして、shaggy dog storyを描き出そうとしたのだろうか。とすればこの物語は、作者の個人的事情に大きく立ち入ったものなのかもしれない。

ともかくもこの作品が何か特別に大きな感動や悲しみや笑いといった感情を呼び起こす類のものではない、shaggy dog story的なものであるとしても、どこか魅力的であったことには間違いない。

ウィリーとミスター・ボーンズの関係において、犬と人間という種を超えた繋がりがあるのが良い。
彼が死んでから、ミスター・ボーンズは「犬」として扱われ、「犬」としての生を全うしようとするのだが、自分でも気がつかないほどの違和感に苦しめられている。
物語を終える頃に気がつくのは、自分がミスター・ボーンズを、主人を失った哀れな野良犬としてではなく、自分のことを理解してくれていたただ1人の友人を失った悲しみに暮れる主人公として彼に共感を抱いているということだった。


可愛らしい表紙と、声に出してつぶやくたくなる題名。
本棚にそっと忍ばせておきたい1冊。

16:38 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)
ムーン・パレス
ネタをばらしてしまうのは全く好きではないので
語れることはなかなか限られてきますが、
この本はとにかく意外性の連続。
え?え?え?
って、最後まで、いやむしろ最後のほうが。

あまりにも非現実的な物語や、偶然に全てを頼ってしまうような物語、
(漫画やドラマに顕著にみられるような)は
基本的に嫌いなのですが、
この話はうけいれられる、というか
その偶然自体が必要不可欠なことなのではなく、
作者はあえてそうしているのだ、と思わせられるような何かが
この物語の中にある。

実力のある本。そして長く愛される本だと思う。
表紙も好き。
本棚に、横向きに並べたいような。
21:16 | 海外(ポール・オースター) | comments(0) | trackbacks(0)

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