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評価:
奥泉 光
集英社
(2002-05-17)
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そもそもバナールってなんじゃ。
って疑問から始まったこの小説。
(banal:凡庸な・平凡な)
表紙が戦争ものだったからね、
んで湾岸戦争がどうのこうのって書いてあったからね、
そっち系に突っ走るのかなって思ったの。
題名の雰囲気からしてちょっと固そう、
と思い迷いつつも購入。
大学と予備校で教師をする主人公・木苺。
まさにバナールな生活を送っていた彼だけれども、
妻の懐妊・失踪のあたりを境に虚構の世界に飲み込まれていく。
人は虚構の中でしか生きられない。
そもそも小説とは虚構の物語でしかない。
その中にもうひとつの虚構を作り上げ
そう、ぶっちゃけた話
何がなんだか わからんくなってます。
おほほ。作者の策略を知った今、
もう一度読み返す必要があるのは必死ですね(^^;
なんだか観念的といか哲学的というか
前半のバナールな話の中にもユーモアがあり
むふふな感じで読めます。
モーセの話や、ノアの方舟の話なども楽しく読めます。
他の作品を買うかは、微妙なとこかなぁ。