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評価:
船戸 与一
集英社
(2000-05)
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直木賞受賞作品らしい。古本屋で発見。
そしたらパパが好きだったらしく船戸さん読んでるのか〜
と言ってきた。
本の趣味までパパとは似ている。
別に本を読むことも、読む本についても
強要されたことは1度もないとに
不思議だ。
変なところで血のつながりを感じる。
でも買っちゃう本がかぶるのはもったいない。
うちにあるなら早く言ってよパパン。
フィリピンと日本の混血児ジャピーノ、トシオの13歳から15歳の間に起こった出来事。
それを通して彼は一人の「男」を築き上げていく。
上下巻に分かれているだけあってボリュームも結構なもの。
だけど内容がぎっしり詰まっているから読んでいて長いと感じることはなく
むしろひとつひとつのストーリー展開に対してやや物足りない感じさえ抱く。
だからだろうか、読んだ後にそれほどの興奮を覚えなかった。
終わり方が予想通りの展開になったことで少しがっかりしていたのもある。
直木賞受賞作品でもあるし、書評を見ても素晴らしい言われようなのだから
あたしの感じ方がズレていて
何言ってんだよわかってねえなあ
って言われるかもしれないのだけど、まあそう感じてしまったものは仕方がない。
この本の中では終始トシオの口調で、トシオの目でみたフィリピンの世界を映し出して物語が進むわけなのだが、歳をおうに連れその口ぶりや考えの中に彼の成長の姿を反映させなければならないということは、決して目新しい手法ではないだけに非常に多くの技術を必要とするのだと思う。そのへんでもう一歩工夫というか、才能を発揮してほしかったなあ
とはいえじっちゃんのキャラはとても気にいった。
じっちゃんのラストもよかった。
ただ、今船戸さんの「砂のクロニクル」を読み始めたのだか
またアイパッチの男がでてきて、眼球がない。
どうして眼球のない男が好きなのか?
同じ特徴を持つ人物を違う作品で登場させるのはちょっと気にくわない。
なんでって?なんとなく!!