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評価:
山本 文緒
集英社
(2002-10)
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落花流水って相思相愛ってい意味なんですね。
花が水を思ってそのうえに身を投げれば、水はその花をのせて流れてくれる。
なーんて、日本人はとてもロマンチックな言葉をうみだしました。すごひ。
なんだか少し、変わった物語でした。
主人公手毬が姉だと思っていた人が実は母親だった。
手毬を捨ててどこかへ消えてしまった母。
そんな母を憎みつつも、手毬もまた同じような人生を歩んでいって・・・
血は争えねぇぞ、ってことなのでしょうか。
でも子供を捨てて男を選んだ手毬の母も、
実はちゃんと子供のことを愛しているって分かる
最後のエピソードは素敵だったかな。
どこかで自分も、母親になっても女でありたいって
思う気持ちがあるのかもしれないから
律子ばーちゃんがキライになれなかった。
ラストシーンを描かずに物語を終えたのも、
落花流水という題名にふさわしくていいなあと思いました。
やっぱり山本文緒は読むのに疲れなくていいな。
すっごく面白いわけじゃないけど、
気づけば読んだ本が増えてる。