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ポルトベーロの魔女
評価:
パウロ・コエーリョ
角川書店(角川グループパブリッシング)
コメント:現代に生きる魔女と、魔女を求める人々の心のお話。

JUGEMテーマ:小説全般
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今回も表紙が可愛い。満足。

いつもと感じが違うなあーと思ったら、訳者が違う。
ラフな感じ。

「魔女」と呼ばれた、今は亡き一人の女性について、何者かが様々な人にしたインタビューを書き留めている、という設定で物語りは進む。
離婚を経てキリスト教に「見捨てられた」と感じる彼女が、本当の信仰とはなにか、自らにひそむ母神の力を目覚めさせることにより、人々の注目を集め、多大なる崇拝と批判を同時に浴びるようになるまでを描く。

あるひとつのはっきりとした宗教を持たない私には、大きな共感を感じることはないのに、こうしてまた宗教色の強い彼の作品を手にとってしまうのはいつもながらに不思議なことである。
今回のテーマは、キリスト教の教えについてではなく、キリスト教のあり方そのものについて提議をなしているようなところが面白かった。

23:44 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
第五の山
評価:
パウロ コエーリョ
角川書店
コメント:時は紀元前9世紀。旧約聖書からつむぎだす、神のもとに生まれた人間の物語。人として生きるうえで誰しもが避けられない困難や苦悩をどう受け止め、乗り越えていけばいいのか。主人公とともに一歩一歩解決の道を探っていく旅路をたどるような一冊。

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旧約聖書において、カリスマとも言える預言者のひとりであるエリヤ。(詳細はwikiか何かでどうぞ)
本書は彼が絶望し、そこから立ち上がるまでの過程を描く物語だ。

パウロ・コエーリョの作品を「宗教臭い」と倦厭している人がいるなら、とりあえず一度は何かしら読んでみたらいいんじゃない?とおススメする。「悪魔とプリン嬢」あたりが一番柔らかい入り口だろうか。

本書においても、訳者後書きにて「作者のコエーリョも、『聖書とか、キリスト教にとらわれず、再建の物語として読んでいただきたい』とメッセージを寄せています」との記述がされている。本当にその通りだと思うのだ。作者はモチーフを「キリスト教」にしているが、それは例えば「警察官」だとか「病院」を物語の背景に設定することの多い作者と、やっていることはなんらかわりがないことなのだ。

話はそれるが、無宗教の人が多い日本では仏教儒教以外の宗教に触れる機会があると、どうも戸惑ってしまう傾向にあるように思える。「宗教」というものを、どこか現実離れしていて嘘くさいもののように感じる。天国、地獄、世界創世、復活、輪廻・・・ いまいち信じられない。
しかし宗教というのは、実はそんな夢物語を全部信じろっていうことが主目的ではない。
宗教というのはそもそも、人が生き易く、そして死に易くするために生み出された道徳観、ルールブックのようなものなのではないだろうか。

とあるヨルダン人に、「イスラム教は体に悪いものを禁止している」という話を聞かされたことがある。
酒・煙草はなんとなく分かるが、豚って体に悪いの?食べてるけど大丈夫だよ?と言うと、いやいや豚は本当に体に悪いんだよ、と言われた。気になったので調べてみると、豚はやはり寄生虫感染や食中毒にかかる危険性が高いらしく、よくよく火を通さないと危険なもののようだ。
「他の生き物の排泄物などをも食べ、見境無く性行為をする動物(=豚)を多く食べる地域の人間には似たような傾向が見られる」などと、ちょっと行き過ぎか?というような記事も見られた。

ともかくも、22世紀の今でこそ問題は少なくなっただろうが、何千年も前の世界で豚肉を食すことが危険なことだと判断され禁止にいたったことは想像にたやすい。
イスラムが禁止している食べ物は豚肉だけではない。記述は「不浄なもの」と書かれているが、その実情は「不浄=食べると病気にかかる恐れのあるもの」ということなのだろう。

つまり何が言いたかったかというと、宗教というものは人がどう生きていけばいいかを示した教科書のようなものであり、例えその宗教を信仰していなかったとしても、そこから学べることは多い。そしてまさにパウロ・コエーリョはそれを物語という形にして実行している作者であり、モチーフはキリスト教であっても、無宗教の私たちにも何かしら得るものがある(と少なくとも私は感じている)ということである。

はい、だったら最初からそう言えってね。


というわけで今回は「再建」の物語。
天使の声が聞こえる預言者のエリヤは、指物師としてイスラエルで平和に暮らしていた。
しかしフェニキアから王に嫁いできたイザベルは、異教のバアル信仰をイスラエルに広めようと、預言者を次々と殺害し始めた。
エリヤは天使の声に導かれ、ザレパテという町に辿りつき、そこで暮らし始める。
再びの平和と愛を手にしたエリヤだったが、彼を襲ったのは愛するものを失う悲しみであった。
神はなぜ神の声に従ってきた自分にこのような仕打ちをするのか?神の意図が分からなくなったエリヤ。
天使の声を失って、彼は初めて自分の意思と力で歩み始め、やがて神が自分に試練を与えた本当の意味に気づいていく。


それは羊飼いの言葉に凝縮されているように感じた。
まず、「避けられないことは必ず起こる」ということを認めること。
それを克服するために、規律心・忍耐・希望を持つこと。
そして不満足な過去を忘れ、人生の新しい物語を信じること。

困難にぶつかったとき、人は様々な選択肢を選ぶ。
諦める人、逃げる人、立ち向かう人。
その人のそういう性質は、例え場所や状況が変わったとしても変わらないのだともこの物語は教える。

ここ数年、私はちょっとした「困難」を前にしていたと思う。
最近になってようやく過去を忘れることが出来つつある。
そしてこれからは希望を持ち、新しい物語を想像してそれを信じるという行為をしていかなければならない。
そういう意味で、とても励まされた1冊だ。
今この時に読めて良かったと感じる。









10:24 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
ザーヒル
評価:
パウロ・コエーリョ
角川グループパブリッシング
コメント:著者・パウロ・コエーリョの自伝的小説。こういう本は、自伝として楽しんでいいのか、それともそういう観念を持って読むべきではないのか、というスタンスが難しい。兎にも角にも、少なくとも以前の作品を3作は読んでから本書を手にすることをおススメする。

JUGEMテーマ:読書
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今までの作品とはうってかわって、作者自身を投影したと思われる
中年男性が主人公の物語。

彼は小説家として大きな成功を収めていたのだが、
ある日突然妻が失踪してしまう。
捜査によれば、彼女はある男性と一緒にいたという・・・
彼は真実を求めるべく、妻の足跡を辿っていく。
その過程で彼は妻の本当の姿を知り、また彼自身大きく変わっていくこととなる。


パウロ・コエーリョが描いてきた今までの物語では、
彼の持つ(ある意味での)宗教観の中にひきずりこまれることになっていたが、
今回は彼がなぜそのような宗教観を持つようになったのか、という
過程を示している。
そのため、今までに感じていた作者との距離感が
ぐっと縮んで、とても親近感の持てる作品になっているように感じた。

ただ・・・うーん、なんだろう。
読み手の勝手な妄想なんだけれども、
純粋な物語としては読めなくて、
ともすれば人の日記を読んでいるような気持ちになってしまい
少し恥ずかしかったりもした。


やっぱり今までの作品のスタンスのほうが私は好きかな。
08:48 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
悪魔とプリン嬢
JUGEMテーマ:読書


最近パウロ・コエーリョの本に疲れ気味だったのですが、
こーれは良かった!というか読みやすかったですね。
やっぱり全体を通して宗教色が濃いパウロ作品なので、
無宗教日本人の私にとって「入り込めない」と感じる場面が多々あり、
それが占める割合が多い作品は「面白い」と感じることが難しかった。
でもプリン嬢は、「善と悪」というテーマで、日々生活の中でしみじみと考えさせられる事柄でもあったことが幸いしたのか、心に響く作品になった。

舞台は小さな小さな山間の村、ヴィスコス。母親を亡くしてみなしごになったプリン嬢は、とある小さなバーで働いていました。皆が生きていくことに夢中で、大きな変化の起こらない、素朴で穏やかな村。
ところが、ある日村にやってきた旅人が、村に大きな波紋を呼び起こすこととなります。

彼は妻と子供を殺され、人の「善」が信じられなくなり、ある実験を行おうと考えたのです。それは、「1週間以内にひとつの死体が出れば、金塊を村に差し出す」という取引でした。さらに彼は、11個ある金塊のうち、ひとつをプリン嬢の目の前で山の中に埋めます。金塊を持って村を逃げだすのも、村人にこの取引のことを話すか否かも、プリン嬢に委ねられました。

結局は彼女は村人に取引のことを話すわけなのですが、物語を通して旅人、プリン嬢、村人それぞれの中で悪魔と天使とがせめぎ合い、時にどちらかが顔を出し、また時に他方がそれを押しとどめるという、人の心の善悪の揺らぎの姿が描かれます。

どの登場人物の立場にも、どこか共感できる考え方がある。
ストーリーの面白さと、考えさせられる思想とが上手く絡み合った作品。
11:49 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
アルケミスト―夢を旅した少年
羊飼いの少年が、同じ夢を繰り返しみたことから
宝物を探す旅にでる話。

星の王子様のような。
児童書のようでありながら辛辣な真実を伝えてくる本。
これは名作だ!
21:19 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
ベロニカは死ぬことにした

まずこれはなんといっても題名が素敵なんだな。
ベロニカは死ぬことにした。
英語だと全然素敵じゃないけど
(英題:Veronicka decides to die)
言葉って不思議だ。

その題名の通り、ベロニカは死ぬことにする。
睡眠薬を一粒一粒飲んで、図書館でその時が来るのを待つ。
ああ自分はもうすぐ死ぬんだ、と思いながら。

ところが次にベロニカが見たものは、サナトリウムの白い天井。
死の淵をさまよった彼女の心臓は、もってあと1週間。
死にたい彼女がそこで生きる1週間の日々とは。

面白い世界観。時々ついていけなくなりそうになるその不思議さは、
作者の魅力なのか訳者の力不足なのかはちょっと分からない。
洋書にはいつもそういうもどかしさがある。
作者は ほんとうは 一体どのような世界を描こうとしていたのか。
でもその世界観は嫌いじゃなかった。すごく魅力的、というわけでもないのだけどなんか気になる、みたいな。
ただ物語の序盤に比べ、後半の展開がいまいちだった。
終わり方は嫌い。よくない。それはない。
っていうのはやっぱりあたしがひねくれてるからなのかなあ。
21:18 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
11分間 (角川文庫)
評価:
パウロ・コエーリョ
角川書店
(2006-01-25)

ブラジルの田舎に育ったマリーアは踊り子にスカウトされスイスへ渡ったが、
そこで待っていたのは厳しい現実。
マリーアはお金を貯めて故郷に帰るため売春婦となる。
そこで彼女が学んでいくもの、真実の愛とは。


「11分間。世界は、わずか11分しか、かからない出来事を中心として、
 そのまわりをぐるぐる回っているのだ」


まず言っておかなきゃいけないのは、この本の中にセックスに関するワードや話が赤裸々に語られていたとしても、それを毛嫌いしてはいけないということ。また逆にそれに夢中になってしまったり(笑)してはいけないということ。マリーアの語る言葉をよく聞くこと。

アルケミストなんかとは違ってすごく現実的な本なんだけど、
その分あたし好みだった。
愛についての話も興味深いけど、マリーアという人の生き方もすごく素敵だと思う。
すごくポジティブで、芯があって、冒険する勇気があって。
外人さんでこんなに好きな作家さんって初めてかも☆
22:42 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(2)
ピエドラ川のほとりで私は泣いた (角川文庫)
やっぱり題名がいい。パウロさん。


ピエドラ川のほとりで私は泣いた。この川の水の中に落ちたものは、木の葉も虫も、鳥の羽さえも、岩に姿を変えて、川底に沈むと言い伝えられている。心を胸の中から取り出して、流れの中に投げ込めるものならば、恋もこの苦しみも終わって、私はすべてを忘れることができるだろうに。


冒頭の1ページ目は、それだけで涙が出るんじゃないかってくらい素敵な文章です。洋書でそう感じられることってかなりすごい。
「星の巡礼」同様、本作も宗教色の濃い作品。ただ、パウロ・コエーリョの作品はそのへんの宗教スピリチュアル本とはちょっと格が違うなあと思わせられます。私は本作みたいに、神は〜なものなんだよ、とか言われるのがとても苦手です。頭で文字を追っても、心がついていけないから。(八百万の神的なものは信じるんだけどね。日本人だね)でもそこの部分をぐっとこらえて、自分の中で勝手に神様わきにのけちゃって読んで、(パウロさんごめんなさい)そうすると感動せずにはいられないんです。

この本は「真実の愛」をテーマにした物語。
主人公ピラールのもとに、幼馴染から12年ぶりに手紙が届く。久しぶりに再会した彼は、神の女性性について人々に語り、また病を治す奇跡の力を持っていた。ピラールのことを愛しているという彼に、決して恋に落ちることはないだろうと思っていたピラールも、彼との旅を通して、彼を愛する本当の自分を解放していくようになる。しかし愛した彼は修道士だった。女神から授かった奇跡の力をもって世界を変える夢のために生きるか、全てを捨ててピラールへの愛に生きるか、選択するために彼はピエールを呼んだのだった。

幸せになるために、自分自身の純粋な声に耳を傾けなさい、とこの本は語りかける。自分を自分でなくしているのは、苦しみや困難への恐れであって、感情をコントロールしようとする力なのだと。
自分の心に真っ直ぐに生きる人は目がキラキラしてみえて、本当に羨ましいと思う。私はどうしても色々なことを考えて、感情を誤魔化して生きてしまう種類の人間だと思うから。分かっちゃいるけど20数年間をそうやって生きてきた自分を変えるのはそう容易いことではないし、ピエールは自分の心を解放することで本当の自分に還ることができたと言うが、あたしはそうやってごちゃごちゃ余計なことを考える自分のほうが自分らしいという気がしてしまう。もちろん憧れる人間像とはだいぶ違うんだけれども、愛着もあるというか。そんなこと言ってるから成長しないのかひら。
でもたぶん心のどっかに、そうして自分の心の進む方向だけを見つめて生きていけたらという気持ちがあるから、こういう文章に心打たれるんだろう。

とても印象に残る物語が、この本のラストで話されています。
お互いに深く愛し合っている少年と少女が、婚約のプレゼントを交換するのですが、2人は貧乏でお金がありません。そこで少年は彼女に銀の髪飾りを買うために宝物の時計を売り、少女は彼に時計のくさりを買うために自分の髪の毛を売ります。2人が婚約の日に会った時、少年と少女はお互いがすでになくしてしまったもののための贈り物を贈ったのです。
23:27 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)
星の巡礼
評価:
パウロ・コエーリョ
角川書店
(1998-04)

パウロ・コエーリョのデビュー作。
魔法使い試験に落第したパウロが、自分の剣を見つけるために「星の道」と呼ばれる、サンチャゴへの巡礼路を旅する物語。

著者の実体験をもとに書かれているそうなのですが、なんにせよ宗教色が濃い濃い。
木原さんとかスピリチュアル的なものに感銘を受けまくっちゃう人は好きなのかも。
でもこの巡礼路、歩いてみたいなあという気分にさせられました。
23:38 | 海外(パウロ・コエーリョ) | comments(0) | trackbacks(0)

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