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評価:
唯川 恵
大和書房
コメント:どれだけ失敗を重ねても、やっぱり恋をしてしまう。恋愛小説家が送る、恋愛のススメ。
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正直なところ、唯川恵は苦手だ。最後に読んだのが中学生の頃で、なんだか甘ったるい恋愛物語ばかりで鳥肌たっちゃう、というイメージのまま今に至っている。
これはエッセイだし、恋愛小説家が経験した恋愛ってどんなものなのかのぞいてみちゃおうかな(100円だし)、いう好奇心で手にとったわけなのだが、これが意外にも面白かった。面白いというか、身につまされるというか。
なんか自分とすごく似ている気がした。
そんな作者が未だ結婚せず、なところにとても不安を覚えるのであります・・・。
20代も後半になって振り返れば、色々、ある。
色んな付き合い方をしたし、色んな相手がいたし、こうじゃなきゃ、やっぱりこうかな、ああ、もうどうでもいいや、いやいややっぱり・・なんて右往左往もして、それは今もそうだ。
「私もうんざり。もうごめん。傷つくのも期待するのも、疑うのも信じすぎるのも、失望するのも。
そんなもの、さらりとかわして軽やかに生きてゆきたい。恋愛なんかに振り回されたくない。
でも、果たして本当にそれを心から望んでいるのか、と考えると、『そうだ』と答えられない自分がいる。
そうして、切ないようなやるせないような気分になり、私は長い長いため息をつく。」
まさに。