<< August 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | -
八日目の蝉
評価:
角田 光代
中央公論新社
コメント:不倫相手の子供を誘拐した希和子。罪の重さを感じながらも、薫との幸せな日々を重ねていく。その旅の行く先に、ふたりが見るものとは。

JUGEMテーマ:小説全般
JUGEMテーマ:読書
 
希和子は不倫相手の子を誘拐し、「薫」と名づけて自分の子供として育てようとする。
事件が新聞に載り、間もなく希和子は自分が容疑者として追われていることを知り、各地を転々としながら薫とふたり逃亡生活を送る。
病気になったら病院にもかかれない。
もしこのまま逃げおおせても、薫を学校にも通わせることができない・・
そんな現実的な不安も、希和子は薫への愛情に埋めてごまかしてしまう。
そして4年の月日が経ち、希和子は誘拐犯として逮捕されることとなる。

後半3分の1の物語は、誘拐された子供・恵里菜が大学生になってからの話へと変わる。
「事件」以後のひび割れた生活は、時を重ねても「ふつう」の暮らしに戻ることはなかった。
「なんで私だったの?」恵里菜は何度も問いかける。
「八日目の蝉が目にするもの」をその答えとして、この物語はしめくくられる。

ストーリーが面白い。
赤ん坊の頃に誘拐した子供を自分の子として育てる。ありそうでいて、なかなかなかった話だと思う。
これだけ話題になったこともあって、流れに勢いがありあっという間に読みきった。
主人公が誘拐犯であるにも関わらず、その純粋な母性と子供への愛情によって、いつしか希和子が逃げ切れますように、と、見つかりそうになってははらはらしてしまう。
そして後半の恵里菜の自分の狂わされた人生との葛藤と、自分に架せられた運命を背負って生きてゆこうと立ちあがるまでを描く物語にはいっても、その流れは止まることなく最後まで突き進み、恵里菜と希和子とのかすかな交差という鮮やかなラストを迎えて物語りは終わりをみる。

確かに面白い。
のだが、優秀作、といった印象。
とても綺麗にまとまっているから、逆にそれが物足りないというか。
個人的好みとして。



20:40 | か行(角田光代) | comments(0) | trackbacks(0)

にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ