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評価:
乙一
幻冬舎
(2001-10)
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小学5年生のマサオは引っ込み思案の恥ずかしがりや。
そういう性格から、先生から不当な扱いを受けるようになり
それはやがてクラス全体へと広まっていく。
「ゴミ箱」のようになってしまったマサオの前に現れたのは、
顔が真っ青、手足は拘束され、口の裂けた傷だらけの「アオ」。
「アオ」の声に導かれマサオは・・・
人間の弱さ、醜さってものをすごくリアルな形で提示する物語。
いじめられる少年の心の変化がとても丁寧に描かれていて、
作者はいじめられっこだったのか?!とでも思わせられる。
怖いなあ、ホラーじゃなくて、こういう静かでリアルなのが一番怖い。
ほんとに「ありそう」なんだもん。
今の世の中で、こういう事件が明日テレビで報道されても全然普通。
で、それが普通になってるってことが一番怖いんだよね。