|
評価:
三谷 幸喜
幻冬舎
コメント:面白い作品は面白い人間からうまれるのですね。
|
オンリーユー♪ の歌の音程で オンリーミー♪ と最後は鼻に抜ける感じで言って欲しいらしいです。
エッセイ本というものは、実はほとんど読まない。
それも意識して読まないようにしている。
なんだか純粋に物語を受け取れなくなってしまうような気がして。
だから私は村上春樹のマラソン姿なんか見たくないんだ。
村上龍はテレビに出すぎなんだ。
だがしかし「三谷幸喜のエッセイは面白いから読んで欲しい」と友人に言われ、
彼は劇作家だし良いかという気持ちで手にとったわけです。
いやあ、これがめっぽう面白い。
小説の面白さとは違って、書いてある話がとか文章の書き方が上手いとか
そういうことではなくて、もう三谷さんって面白い人だね。っていう面白さ。
面白い話をものすごく真面目ぶって書いているんだけど、
それが素でやっているのか実は笑いを計算しつくしてそうしているのか
嘘ついてるのか天然なのか、「ここに書かれている99%が本当のことである」
という言葉は果たして残りの1%に含まれているのかいないのか。
結局真実を知る人はこの世にひとりしかおらず、私がその答えを知る術はないのが口惜しい。
最初こそ素直に面白エピソードに笑わされていたのだが、
本の中盤を過ぎたあたりで、「この話が全部本当っぽく書いた作り話ってこともありうるのでは」
という考えがふと頭をよぎり、となるとそれから後ひねくれものの私は、「ぷっ」と笑ってしまった次の瞬間には、「いやいやこれは私を笑わせようとする罠なのかもしれない、騙されてはいけないぞ」と笑った自分をなかったことにするという意味のわからない闘いをしてしまった。
もし読むとするなら、全部本当のことと疑わずに笑って読むのが一番楽しいです。
エッセイを評価するっていうのもなんだか変な感じがするので星3つ。