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評価:
ヘミングウェイ
新潮社
コメント:老人は海にでた。マグロと共に。何度でも読み返したい、不朽の名作。
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ヘミングウェイといえば、「誰が為に鐘は鳴る」「武器よさらば」というイメージがあった。
父が面白いと言っていたので、きっといつかは読もうと決めていたのだが、わりあい分量が多いので手をつけないままズルズルと見過ごしていた。
「老人と海」は新潮社の新しいカバーのほうで買った。
この大胆なカバーはまさに私のドストライクゾーンをついていたのだが、そのラインナップは「こころ」「羅生門」「キッチン」「雪国」など、名作すぎて全部持ってるわ!なものが多くて、しかしカバーが可愛すぎて全部集めたい。でも同じ本をカバーが可愛いからって買ってたらキリがないじゃないやめなさい大事なのは柄じゃなくて中身なのよ!だって文学なんだから!と言い聞かせて我慢していたわけなのです。
そんな中、目に入ったヘミングウェイ。
誰が為に〜を2冊買ってああやっぱり好みじゃなかったわなんてことになるのを防ぐためにも、いっちょこの薄いやつを先に読んどくかーなんて軽い気持ちで買いました。
軽い気持ちで。
買ってすみませんでした!!!
名作でした!!!!
老人が海にでてカジキマグロとの4日間の激闘の末にそいつをしとめるのだが、浜にたどり着く前にサメに襲われ続け、頑張って死守しようとしたものの勝ち目はなく、とうとう骨だけになってしまった。
という話なんだけど。
これは未読の人は是非読んでほしい。
泣ける。
感動話じゃないんだけど、なんか胸にくるんだ。
すげーかっこいいよじいちゃん!!
ってなるんだ。
たぶんこれだけの名作、そしてこれが書かれた時代背景と、作者が戦争を体験し最後は自殺という末路をたどったことを考えても、様々な人が色んな角度からこの作品を研究し、解説してきたんだろうとは思う。
でも私は純粋に名作とか有名とかそういうのは無しにして、ただ普通に本屋で見つけた1冊の本として、とても感動させてもらった。いい本だと思った。おじいちゃんが心配になったり、サメと戦うシーンでは手に汗握っておじいちゃんを応援した。最後は、やっぱりマグロを持ち帰らせてあげたかったなあという気持ちもあるけど、おじいちゃんよく頑張ったね。ほんとすごいよ、世界一のおじいちゃんだよ、と伝えたくて仕方がなくなった。
私がこの1冊を手にとることになった、数々の偶然と必然に感謝。