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評価:
古川 日出男
河出書房新社
コメント:「常識」や「世間」からほんのちょっと逸脱した者たちを描く物語。
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タイトルが気になって。
あと最近河出書房が気になって。
購入。
親に捨てられた兄弟。何度も離婚と再婚を繰り返す母を持つ少女。リストラされ妻と娘に見放されたタクシー運転手。
姪っこを誘拐され、犯人の親戚の子を誘拐しかえした女性。
犬を虐待する飼い主の家に火をつける少年。
ある道から、どこかの地点でほんの1ミリだけ右にそれたとする。
それはほんの1ミリであるのに、そこから先に進めば進むほど大きな「ズレ」になっていく。
1が2になり、2が4になり、4が16になる。
そして気がついたときには、いや、進んでいる本人は気がつかないのに、確実に取り返しのつかないほどの距離がうまれてしまっている。
そんな風な物語。
現実から離れた浮遊感、という感じはうけた。が。
若干くどい?かな。
個人的に太文字がやたらと入る小説というのが好きではない。
「作風を激しく変える作家」だと、巻末の解説に書かれてあったので、機会があれば違う作品ものぞいてみようと思う。
色々賞とってるみたいだしなー。