|
評価:
長野 まゆみ
河出書房新社
コメント:夜の学校に冒険に出たアリスと蜂蜜が理科室で見たものは、ひとではないものたちが集まって授業をしている光景だった。子供にしか入れない世界や感情、目線を独特な日本語表現でうつしだしす作品。
|
純粋で騙されやすい蜂蜜と、ちょっとクールで慎重派のアリス。
夜の学校に忍び込んだふたりは、理科室で不思議な「授業」が行われているのを目撃する。
見つかってしまった二人は逃げようとするがアリスだけが捕らえられてしまい、
蜂蜜は犬の耳丸と共にアリスを見つけるべく奮闘する物語。
なんとも不思議な空間に読者を連れて行く作品(作者?)だ。
それは一重にこの作者が使う日本語(造語を交えた)の「語感」にある。
何か実際には存在しないものを登場させるときに、言葉による説明だけではなく、そのものの名前にそれをイメージさせるような漢字の組み合わせと、耳に心地よい読み仮名がつけられている。
ファンタジーの世界でありながら、昔の和歌の物語の中に紛れ込んだような感覚。
作者は美大卒らしいのだが、なんとなく納得する。
頭の中に浮かぶ映像は、和風をふんだんに取り入れた現代アート。というイメージ。
うーん、しかし
ちょっとBLぽいんだよね。
ライトノベルっぽい。
日本語云々を取り去ったら、もっと顕著に表れる気がする。
ので、個人的にはあまり・・・かな。