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ジャージの二人
評価:
長嶋 有
集英社
コメント:父親と二人、軽井沢の山荘で過ごす数日間。和小と桶谷小のジャージで。

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仕事をやめて小説家を目指す僕は。執筆活動も進まず、妻は人生最大の恋とやらに出会って奮闘中。
父親はどうやら3度目の結婚もうまくいっていないらしい。

そんな話を赤裸々に語り合うでもなく、お互いなんとなく分かり合っているような、何も分からないような父と息子が過ごす、軽井沢での数日間。

なんでもなさそうでちょっと何かしらある、そんな日常と非日常の間の人間関係を温かく描く長嶋有の作品。
といえばそうなのだけれど、作者への期待値が高いので、他の作品に比べると何かひとつ物足りなかったなあー。まだまだ面白い話を書くはず。という気持ちで星3つ。




20:19 | な行(中嶋有) | comments(0) | trackbacks(0)
夕子ちゃんの近道
評価:
長嶋 有
講談社
コメント:フラココ屋で働く主人公と、店長、常連の瑞江さん、大家さんの娘たちとのやりとりを描く、ゆったりと温かい物語。

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長嶋有はイイ!と改めて思った。
改めてというか、今まではなんだか気になるなー読んじゃうなーという感じだったのが、本作でイイ!と感ずるにいたった。

イイ!というのは、最近わかったことだけれど、今の自分の読書の仕方や嗜好にマッチしている、ということだと思う。
昔は、この世には「面白い本」と「面白くない本」の2つしか存在しないと思っていたけれど、それはとんだ間違いであった。
物語を面白いと言うことや、誰かにすすめることは、ほんとうに難しいなと思う。


主人公は働くことやら、生きることやら、そういうのが全部面倒くさくなって、フラココ屋の2階に引っ越してきた。フラココ屋に集まるのは、フラココ屋でバイトをする主人公と、店長の幹夫、常連の瑞江さんと大家の2人の娘たち。
瑞江さんは旦那さんと別居中。35になった彼女は子供が欲しくて離婚に踏み切れない。
娘たちの両親は離婚していて、妹の夕子は学校の先生と付き合っていたが妊娠してしまう。
主人公の過去を含め、フラココ屋に集まる彼らには何かしら背負った荷物があるのだが、物語は一貫してゆるやかで、ほんのりと温かい。

主人公の「背景のような」キャラクターに引っ張られ、フラココ屋住民たちと近づきすぎるわけでもなく近づいていくのが楽しい。
そこは日本人的な、「口に出さない優しさ」と「口に出す優しさ」とで満たされている気がする。

傷を抱えているのは分かっているし、それは言っても言わなくてもいいのだし、
ただ口には出さないけど心配しているという
温かい物語。
22:46 | な行(中嶋有) | comments(0) | trackbacks(0)
エロマンガ島の三人
評価:
長嶋 有
文藝春秋
コメント:エロマンガ島でエロマンガを読む。そんな馬鹿げたミッションを遂行する、実話を元ネタにしたショートストーリー。

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JUGEMテーマ:読書
 
この作者はものすごく短編を書くのがうまい人だと思う。

主人公はゲーム雑誌の編集者。
エロマンガ島でエロマンガを読むという企画を冗談で出したら通ってしまった。
後輩の久保田(巨漢・ゲームおたく)と、突然の父の不幸で来られなくなった井沢さんのかわりにやってきた見知らぬ男日置と、馬鹿げた度に怒りをあらわにした彼女をおいてきてしまった主人公、佐藤の3人の、何もないような、何でもあるような島で過ごした数日間を描く。

その他、崩壊した世界に生き残った男女3人、少年ひとりのショート・ストーリー
かけおち先でなぜかクラブをふることになった、真夜中のゴルフ場の不思議な出来事。
HMという名前で届いた1通のメールをきっかけに、過去の女たちのことを振り返る男の話。
そして、「エロマンガ島」の日置の話を添えて、本書は幕を閉じる。

日常と非日常の境目が曖昧で、ちょうどいいバランスで交じり合っているのが心地よい。
短編ならではの、読後の余韻がくせになりそう。


目次

エロマンガ島の3人 / 女神の石 / アルバトロスの夜 / ケージ、アンプル、箱 /  青色LED



22:40 | な行(中嶋有) | comments(0) | trackbacks(0)
タンノイのエジンバラ
評価:
長嶋 有
文藝春秋
コメント:人生とはそれだけで劇的。黙ってても何もしなくても、何かが常に起こっている。そしてそれはいつも自分と誰かの間に。感動、でも共感、でも表し難い。人のにおいがする物語たち。

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「タンノイのエジンバラ」

まずは表題。なんぞや?と思い調べる。
タンノイというメーカーのエジンバラという種類のスピーカー?らしい。
アパートの隣に住む女の子を預かることになった、職探し中の男の話。


「夜のあぐら」

継母を憎む姉。
継母を突き飛ばし怪我をさせて以来、父親からもらうお金でふらふらしている弟。
仕事をやめ、バイト暮らしをする主人公。
父親の死が迫ったのをきっかけに、3人の人生が交わる。


「バルセロナの印象」

離婚した姉を慰めるためにスペイン旅行に出かけた主人公とその姉と妻。
妻と主人公の関係、姉と主人公の関係、それを見つめるそれぞれの視線が描かれる。


「三十歳」

不倫が相手の奥さんにばれたのがきっかけで仕事をやめ、パチンコ店で働き始めた秋子。
新人の年下の男と付き合うようになるのだが、彼は突然姿を消す。



人生そのものを描く作品。いや、作家?
職場の友人のすすめで知った人だが、本当に優れた文章を書く人だと感じた。
文学、という言葉がよく似合う。

読後がとても心地よい。
20:23 | な行(中嶋有) | comments(0) | trackbacks(0)

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